妊婦健診の重要性

 国際協力NGOジョイセフは、妊婦健診における日本が培ったノウハウを海外でも展開しています。地域の妊婦の相談にのるために、1968年に国内で始まった母子保健推進員制度を発展途上国に紹介して、妊産婦の命を守っています。農村部の住民の中からボランティアの母子保健推進員を養成し、助産師がいる保健センターで妊婦健診を受けるよう、呼びかけてもらっています。健診でリスクが高いとわかれば、急変時の対応がしやすい病院を紹介します。それ以外は保健センターで助産師の介助のもとで出産します。住居が散在する国では、センター横に出産前の妊婦が滞在するマタニティーハウスも建設しています。
 わが国の妊産婦死亡率の低さは世界でもトップレベルです。わが国の周産期医療の発展には、母子手帳の普及とともに妊婦健診の充実が大きく関与してきました。こうしたわが国の素晴らしい妊婦の健康を守る施策を海外に広め、全世界で安心・安全な出産ができるようにすることは、極めて重要な医療貢献です。

(2016年1月24日 読売新聞)
(吉村 やすのり)

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