大病院の実績公表

 厚生労働省は、2017年度から全国の大病院に治療実績の公表を求めます。年齢や進行度別の患者数のほか、診察科や病気ごとの平均入院日数をホームページで発表しなければ、病院が受け取る診療報酬を減らされます。患者が病院の得意分野を比較することができ、受診先を選びやすくなります。病院の競争を促すことで、医療の質の向上と効率化を促します。対象は、公的医療保険から定額の報酬を受け取る病院(DPC病院)で、全国に約1600カ所あります。大半は大学病院など重症患者が多い大病院で、一般病院の2割、ベッド数では5割を占めています。
 病院に事実上公表を義務付ける7項目は、年代別の入院患者や胃がんなど5大がんのステージ別患者数などで、患者が受診先を選ぶ手掛かりとなります。診療科ごとの主な手術の平均入院日数、診療科ごとの主な症例数なども示されなければなりません。手術前後の平均的な入院数が他の病院と比べ長いか短いかを患者が把握でき、病院の得意分野を知る手掛かりにもなります。病院の間に競争原理が働くことで、医療の質が高まることが期待できます。

(2016年2月4日 日本経済新聞)
(吉村 やすのり)

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