離婚女性の再婚

 法務省は、現在は6か月とされている女性の再婚禁止期間を100日間に改めるとともに、離婚時に妊娠していなければ直ちに再婚を認める民法改正案を検討しています。再婚禁止の期間は、離婚した女性が産む子どもの父親が誰かを明らかにするために規定されましたが、医学の進歩などを考慮して大幅に見直すことになりました。最高裁は昨年12月、女性の再婚禁止期間を定めた民法7331項について、再婚までの期間が100日あれば、①離婚後300日以内に生まれた子は前夫の子、②婚姻後200日後の子は現夫の子という嫡出推定が重ならないことから、100日を超える期間は過剰な制約であるとして、違憲と判断しました。改正案は判決に沿い、禁止期間を100日と明記します。
 嫡出推定が重ならないケースとして、法務省はこれまでも、高齢だったり、卵巣を摘出していたりして妊娠しないことが明らかな女性や、前夫が3年以上行方不明の場合などに、例外的に再婚を認めていました。前の夫と再婚する場合は、再婚にあたらないとして復縁を認めています。さらに、妊娠していないことが証明されれば、年齢や身体の状態に関係なく、離婚直後に再婚できるとします。その場合には、新婚時に妊娠していないという医師の証明が必要になると思います。

(2016年2月19日 読売新聞)
(吉村 やすのり)

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