少子高齢化による若年労働力不足や緩やかな景気回復の影響で、大学卒業予定者の就職内定率はここ数年、上昇傾向にあります。首都圏の大学が相次いで地方の自治体と就職支援協定を結んでいます。地方での知名度を上げて入学志願者数の増加と卒業生の就職率アップに結びつけたい大学側と、地元から首都圏の大学に入学した学生のUターン就職を増やしたい自治体側の狙いが一致したことによります。
地方では、高校生の多くが首都圏などの大学に進学し、大学卒業後も地元に戻る学生は限られてしまいます。地方自治体は、首都圏の大学と連携し、地方出身者が参加するセミナーやイベントを通じて、学生に地元での就職に目を向けてもらうことを担っています。また中小企業でのインターンシップと大学でのキャリア教育を組み合わせたプログラムを実施する大学もあります。少子化に伴う人口減少は、大学と自治体に共通する課題だけに、このような取り組みはさらに増えそうです。地方の活性化のためには、重要な手段となり得ます。
(2016年2月26日 日本経済新聞)
(吉村 やすのり)
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