国は男女共同参画社会の実現に向けて、2020年には指導的地位に女性が占める割合を30%程度にすることを目標に取り組みを進めています。しかし、現状は管理職に占める女性の割合は11.2%と、諸外国に比べてかなり低い水準にとどまったままです。2030を目標期限までに実現するのは厳しい状況です。今後も人口減が続く中、日本が経済成長を続けていくためにも、女性に活躍してもらう環境を早急に整える必要があります。2015年8月に成立した女性活躍推進法では、女性の採用・登用・能力開発等に関する行動計画の策定を企業に義務付けており、公表することを求めています。
第4次男女共同参画基本計画では、公務員や民間企業の役職ごとに女性登用の数値目標を示すとともに男性の育休取得率の目標を13%に設定しています。男性が1~2週間の育休を取り、どれだけの支援につながるのかとの疑問の声もあります。しかし、男性が短期間でも育児や子育ての大変さを体験することは、その後の生活設計を考える上で大いに役立ちます。女性が、出産・育児を機に休職するだけではなく、退職してしまうケースもまだ多くみられます。女性向けの産休や育休といった制度を整備するだけではなく、配偶者である男性の働き方や暮らし方を見直す必要があります。
(2016年3月1日 日本経済新聞)
(吉村 やすのり)
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