ひとり親家庭の増加

 東京都の推計によれば、ひとり親家庭が増えています。これを受けて、東京都内の自治体が、ひとり親家庭への支援を強化しています。自治体がひとり親家庭に対しきめ細かい支援を広げるのは、1人で子育てをするために安定した職に就けず、経済的困窮に陥りやすいからです。厚生労働省の調査によると、相対的貧因率(家計が自由に使うことができる所得の中央値の半分に満たない人の割合)は、大人が2人以上の世帯では12.4%ですが、1人だと54.6%にのぼります。
 都の推計によると、母子家庭と父子家庭を合わせたひとり親家庭は17万9000世帯であり、年々増えています。子どもの貧因率が上昇しているのは、母子家庭の増加が一因といわれています。シングルマザーは不安定な非正規として働かざるを得ない事例が目立ちます。自立には子育てと安定した仕事を両立できる環境づくりが必要です。昨年4月には生活保護に至る前の自立支援策を強化するため、生活困窮者自立支援法が施行されています。また来年度の予算で、ひとり親世帯向けに支給する児童扶養手当を増額することにより、社会的孤立を深刻化させることがないように生活を支援することにしています。

(2016年3月2日 日本経済新聞)
(吉村 やすのり)

カテゴリー: what's new   パーマリンク

コメントは受け付けていません。