低出生体重児―Ⅲ

子どもの肥満

 子どもの肥満には母親の妊娠期の栄養状態が関係することが分かってきています。妊娠期にやせすぎの母親からは、低体重の子どもが生まれる傾向があります。その子どもが大きくなって逆に太りやすくなり、心臓病や2型糖尿病などの発症リスクが高まります。胎児期に充分な栄養を得られなかったことによる体質の変化が大人になるまで受け継がれると考えられています。
 子どもの頃に肥満があると、大人になっても肥満になりやすいとされています。子どもでも腹部の肥満に加え高血圧などがあれば、メタボリックシンドロームと診断されます。外来では病気の家族歴や出生体重、妊娠中の母親の病気、幼児期の運動体験などを聞くことが大切です。過度な肥満の子は、幼児期以降の早い段階で、体重を減らすことが重要です。

(2016年3月13日 日本経済新聞)
(吉村 やすのり)

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