女性管理職の比率の数値目標

 20164月から女性活躍に関する数値目標や行動計画の義務化が始まります。しかし、日本の女性管理職比率は世界と比べ低いままです。この状況を変えるには、ある程度トップダウンで数値目標を設け、課題を見える化すべきと思われます。女性管理職比率について多くの企業が目標を打ち出す一方で、数字ありきにはしないと宣言する企業も出てきています。しかし、目標達成のために、実力のない女性を管理職に登用するのは本末転倒という声には根強いものがあります。
 会社が今後も発展するためには、女性の活躍が経営戦略上不可欠です。数値目標は全社員の意識を高めることにつながります。しかし、女性を積極的に登用する流れを受けて、管理職に昇進した女性への風当たりが強くなっている面もあります。一方、数値目標を揚げてしまうと、達成のため、あるいは女性だから管理職に登用されたとの誤解が生じかねません。これは本人にも周りにも望ましい状況ではありません。数字はあくまでも結果であり、数値目標に主眼を置くのではなく、女性リーダーの育成など課題をどう解決するかに努力すべきであるとの考えもあります。これまで女性の管理職登用については、様々な政策が考えられてきましたが、遅々として進まない状況にあります。このことを考慮すれば、第一段階としてクォーター制の導入は必要となるかもしれません。

(2016年3月12日 日本経済新聞)
(吉村 やすのり)

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