読売新聞の調べによれば、健康な女性を対象に将来の出産に備えた卵子凍結を行っている医療機関が、全国に少なくとも23施設あり、今年2月末までに562人が卵子を凍結していることが明らかになりました。40歳代の女性3人が凍結卵子を使って出産していました。採卵時の女性の年齢は24~49歳であり、31人が凍結卵子を解凍して使用しました。
健康な女性が卵子凍結を考える背景には晩婚化があります。30歳代前半の女性のおよそ3人に1人は未婚です。今回の調査では、卵子を凍結した女性の多くが35歳以上であり、その約4割が40歳以上でした。妊娠や出産の確率がかなり低くなってから、卵子凍結に望みを託す女性が多くみられます。しかしながら、卵子凍結は将来の出産を保証するものではなく、必ずしも卵子を凍結しておいても妊娠できるわけではありません。子どもを望む女性が、医学的に適切な年齢で産み、育てられるよう、社会全体で働き方の改善などに取り組んでいく必要があります。
(2016年3月18日 朝日新聞)
(吉村 やすのり)
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