待機児童

 保育所に入れない待機児童は、昨年4月時点で23167人と前年より1796人増えました。5年ぶりに増加に転じた背景には、働きに出る女性が増えて保育ニーズが掘り起こされた点が大きく関与しています。申し込みの増え幅は、前年の約2.5倍にあたる131410人に達しています。受け皿を整備すればするほど、利用希望者も増えるという状況が続いています。待機児童を年齢別にみると、02歳児が86%を占め、低年齢児に集中しています。地域別では東京都が7814人を抱えているほか、大阪府、千葉県、埼玉県でも1000人を超えており、大都市に多いのも特徴です。
 希望出生率1.8を掲げる安倍政権は、0~2歳児を少人数で預かるミニ保育所や企業内保育所の整備を加速するなどの対策を打ち出しました。受け皿を整備する主体は市区町村です。政府は制度をつくり、自治体に補助金を配るのが仕事であり、極め細やかな指導はできていないのが現状です。補助金が保育士の給与の増額につながるかどうかも不透明です。

(2016年3月16日 日本経済新聞)
(吉村 やすのり)

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