新年度の保育園入園を目前に、待機児童問題が過熱しています。日本経済新聞の主要企業30社への調査によれば、子が待機児童になり予定していた4月の職場復帰ができない社員がいる企業は、7割弱にのぼっています。子を持つ当事者はもちろんですが、戦力として育休復帰者に期待する企業にも大きな損失となります。
受け皿となる事業所内保育所を設けているのは8社のみで、設けていない企業は、全国の事業所で対応するのは現実的ではなく、財政的に難しいとしています。一方、待機児童問題に直面する社員を経済面で支援する企業も出てきています。認可外施設に預けて復帰する社員に保育料の一部を補助したり、子が認可園に入れない社員の経済的負担を減らし、職場復帰を促すようにしています。保育園に入れる地域や、育児支援を得るため実家の近くに転居する社員の引っ越し費用の補助を出す企業も出てきています。
(2016年3月23日 日本経済新聞)
(吉村 やすのり)