ロボット手術に使用する支援ロボット「ダビンチ」は、米国で1990年代に開発され、1999年より販売されています。アームと呼ばれる3本の腕にカメラや臓器をつかんだり切ったりする器具を装着し、腹部に開けた直径約1~2センチの穴から体内に入れます。手術台から数メートル離れた操作台で、執刀医が3次元画像を見ながら、両手と両足でコントローラーやペダルを操作すると、アームが動く仕組みです。
ロボット支援手術は米国を中心に広がってきています。昨年末までに世界で3,500代以上、日本でも200台以上が導入されています。価格は日本に多い機種で1台約2億5千万円です。ロボットを用いた腎臓がんの腹腔鏡手術に、4月から公的医療保険が使えるようになりました。前立腺がんに続く適用です。昨年1年間にダビンチを使った手術は、世界で約65万件あり、うち4割が婦人科系、3割が泌尿器科系でした。世界では産婦人科領域で最も使用されていますが、日本では未だ保険の適用になっていません。一日も早く婦人科疾患のロボット手術が公的医療保険で実施できるようになることが期待されます。
(2016年4月13日 朝日新聞)
(吉村 やすのり)