アウトバウンドとインバウンド

 アウトバウンド(outbound)は「出していく、外向きの」という意味の形容詞で、インバウンド(inbound)は「入ってくる、内向きの」とい意味の形容詞です。インバウンドとは、ビジネスでは企業側が顧客から電話や来訪を受け付ける形態の業務をさします。旅行・ホテル業界では、外国人旅行者を自国へ誘致することを示しています。アウトバウンドは、ビジネスにおいて企業から顧客またはユーザーへの対応業務をさします。医療は政府の成長戦略の一つに位置づけられており、アウトバウンドとインバウンドの両面が考えられています。
 日本の医療技術やサービスを海外に展開するアウトバウンドと、日本の病院で外国からの渡航受診者を受け付けるインバウンドが両輪になります。世界の医療市場は成長しており、今後はさらに伸びる可能性が高いとされています。医薬品や医療機器の分野では、すでに欧米メーカーが優位に立っています。一方で医師の指導や病院の運営手法を海外に移転する病院輸出であれば、日本でも医療を提供することができます。これまでにもインドやインドネシアなどで日本式の総合病院やクリニックなどが進出した実績があります。インバウンドでは、外国からの患者の受け入れが可能な日本の医療機関を外国でPRする準備が進んでいます。

(2016年4月26日 日本経済新聞)
(吉村 やすのり)

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