認可保育所などの整備に対して、都市部で住民から相次いで待ったをかけられることが多くなっています。都市部では待機児童問題が深刻であり、自治体が各地で整備を急いでいる中、住民から反発が出ています。住民の理解を得ることも、待機児童解消へのカギを握るようになってきています。今年4月に開園予定だったのに中止・延期された認可保育所などが、15自治体で計49園あったことが分かりました。
住宅地に認可保育所を開設しようとしたところ、近隣の住民から静かな地区なのに子ども声でうるさくなる、調理室から臭いが出るのではなどと、懸念する声が出ています。通学路で子どもがたくさん通るのに、保育園の送迎で車や自転車の通行量が増えては危険だとの声もあります。しかし、現在のわが国の少子化の状況を考えると、もう少し住民の理解があって良いものだと思います。地域から子どもが居なくなる事は、その地域の衰退を意味することを認識すべきです。
(2016年6月12日 朝日新聞)
(吉村 やすのり)