私立大学の運営費用に対する国からの補助金の割合が減り続けています。経常経費のうち国からの補助金の占める割合は、2015年度は9.9%であり、44年ぶりに10%割れしています。家庭の所得も伸び悩む中、今までのように授業料の値上げに頼るのは難しい状況にあります。国からの公費支出は、国立が1兆945億円なのに対し、私立は3分の1以下の3,153億円にすぎません。一方、学生数は私立が全体の4分の3を占めています。学生1人あたりでは国立の179万円に対し、私立は15万円です。
国の補助金の割合が減った背景には、予算が伸び悩む中、配分される大学の数が増えたことが背景にあり、大学の数が多すぎるという指摘もあります。都市部の私大の定員が適切であるかどうかも含め、私大助成の在り方について総合的な議論が必要となります。
(2016年10月22日 朝日新聞)
(吉村 やすのり)