医療事故の届出

 第三者機関の日本医療安全調査機構は、患者の予期せぬ死亡を対象とする医療事故調査制度の分析結果を公表しました。それによれば、患者の死亡から届け出までの期間は平均31.9日であり、同機構は時間がかかりすぎているとしています。記憶が薄れ、証拠が失われるなど原因究明への影響が懸念されます。届け出まで平均約1カ月かかっている背景として、医療機関が予期せぬ死亡の判断に迷っていることがあると分析しています。白黒はっきりしないグレーゾーンの事例も報告すべきだとしています。
 制度開始後1年間に患者が死亡し、医療機関が医療事故として同機構に届け出たのは388件です。原因究明が行われ、同機構が調査結果を受け取ったのは161件です。しかし、4分の140件では、医療機関の調査委員会に、中立、透明性の確保のため重要な要素とする外部委員が加わっていませんでした。

 

(216年11月3日 日本経済新聞)
(吉村 やすのり)

カテゴリー: what's new   パーマリンク

コメントは受け付けていません。