家庭の経済状況によって、学校外で子どもの学習にあてる費用には大きな開きが出ています。文部科学省の調査によれば、公立の小中学生で学習塾や参考書の購入などにあてる年間費用は、年収400万円未満の世帯は、小学生4.5万円、中学生15.5万円でした。これに対し、年収1,200万円以上の世帯は、小学生が7.9倍にあたる35.6万円、中学生も2.6倍にあたる40.6万円にも達しています。前回の2012年度調査と比べ、小学生で4.9倍、中学生で2.1倍と差が広がっています。
こうした状況への対応策として、自治体や、委託を受けたNPOによる放課後無料教室などが各地に広がっています。厚生労働省は、都道府県、市町村の423の自治体に補助金を出しています。自治体による放課後の無料教室や、ボランティアが家庭に足を運ぶ訪問型の学習支援など、様々な取り組みを通じて、支援しようとしています。経済的に苦しい家庭では生活環境の面で課題を抱えていることも多く、家庭に入り、それぞれのニーズに合わせて支援する必要があります。
(2016年11月10日 読売新聞)
(吉村 やすのり)