デザイナーベビー報道に憶う

デザイナーベビー(designer baby)とは、もともとは受精卵の段階で遺伝子操作を行うことによって、親が望む外見や体力・知力などを持たせた子供の総称です。しかし、子どもが特定の性質を持つように事前に遺伝子を設計することは、技術的にも論理的にも強く問題視されています。

クローン人間とは異なり、デザイナーベビーを産み出すためにクローン技術は必ずしも必要ではありません。

現在、医学的に目的とする遺伝子を持った子どもを新たに生むことは可能となっています。白血病などの難病をもった子どもの治療のために、白血球の型が一致する受精卵を選択する目的で着床前診断が行われています。世界においては、これまで数例の実施例が既に報道されています。

今回の報道におけるデザイナーベビーは、親が望む遺伝子を持つ赤ちゃんを作るための遺伝子解析技術が考案され、その技術で受精卵診断を行うというものです。その特許が米国で認められたとの報道です。身長や知能のみならず、既知の病気の原因遺伝子を持たない“パーフェクトベビー”を求める親の願望を叶えることが可能となります。検査がビジネスとして歯止めなく広がることは、生命の商品化や生命操作にもつながりかねず、倫理的な問題点はあまりに大きいと考えられます。

19日の朝日新聞より

(吉村 やすのり)

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