- 先進国が軒並み子宮頸がんの死亡率低下に成功する中、唯一日本だけ増加している。
- 日本では国や産婦人科医の50年以上に及ぶ努力にもかかわらず、検診受診率は50%を超えない。検診受診率が向上しない日本において、HPVワクチンは子宮頸がん予防に重要な役割を担うことになる。
- HPVワクチンを定期接種としている国では、すでに子宮頸がんの前がん病変が激減している。HPVワクチンの接種の恩恵を受けている国々においては、アフリカ諸国も含めいずれ子宮頸がんの減少も報告されることが予想される。
- 検診とワクチンいずれにも課題を抱える日本は、この先も子宮頸がんが増え続ける唯一の国となることが危惧され、それを傍観すべきではない。
- 積極的勧奨の見合わせも3年半以上が経過し、これ以上長引けばこの間に接種機会が事実上なかった世代が将来キャッチアップ接種を行っても感染のリスクが下がらないという分析もあり、これ以上再開を延ばすのは問題である。
- WHOが昨年採択したSTI strategyにおいて、2020までにHPVワクチンの接種率90%を達成するという目標値が掲げられており、日本もコミットしている。加盟国が目標達成に向けて努力する中、このままではこの点でも日本だけが取り残される。 (吉村 やすのり)
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