更年期女性の健康

 一般的な閉経年齢は5051歳ごろで、その前後5年ずつの10年間を更年期といいます。人によって多少異なりますが、だいたい4555歳くらいにあたります。更年期は身体的にも心理社会的にも、性成熟期から次のステージである老年期に移行するための過渡期にあたります。
 更年期に起こる変化としては、女性ホルモンの分泌が急激に低下して、自律神経が不安定になるために起こる更年期障害がよく知られています。代表的な症状に、ホットフラッシュと呼ばれるのぼせや発汗、イライラや気分の落ち込みといった精神症状、腰痛や関節痛などの痛みの症状があります。これらの症状の治療には、ホルモン補充療法、漢方療法、その他の代替療法などがあります。
 老年期には、それまであった女性ホルモンの保護作用がなくなるので、高血圧や高脂血症、その他の生活習慣病が徐々に増えていきます。また悪性腫瘍の頻度が増加し、骨量が減少して骨粗しょう症のリスクも高まっていきます。さらにもっと先には、ロコモティブシンドロームの心配も出てきます。このように更年期は様々な身体の変化がはじまる時期です。更年期に入ったら、食事や運動などの生活習慣に気をつけ、定期的な健康診断や人間ドッグを受けて身体チェックしておくことが大切です。

(2017年2月13日 日本経済新聞)
(吉村 やすのり)

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