医療費の査定

 患者が医療機関や保険薬局の窓口で支払う13割の自己負担分以外の医療費は、加入する健康保険組合などが支払っています。健康保険に対する医療費の請求が適切かチェックして支払いを査定しているのが、社会保険診療報酬支払基金です。しかし、都道府県ごとの支部で審査ルールが異なり、査定件数割合は最大5.4倍の格差があります。
 不適切な請求と判断した金額の割合も支部で大きな格差があります。最も厳しいのは大阪府で10万円あたりで544円、次いで福岡県の525円です。低いのは秋田県の135円、富山県の130円で4.2倍の差があります。支払基金は2015年度で計367億円の医療費を査定しています。チェックの甘い支部への請求分を、厳しい支部がチェックすると査定額は増えます。最も厳しい大阪府並みに引き上げたとして試算すると、さらに808億円を削除できる可能性があります。

(2017年2月22日 日本経済新聞)
(吉村 やすのり)

 

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