社外取締役の報酬

 社外取締役は、日本の企業統治改革の中で中心的な役割を期待されています。しかし、その報酬は米欧企業に比べて低く、平均水準は米国の約4分の1にとどまっています。日本企業の取締役会の年間開催時間は、約24時間と米国のおよそ半分です。米欧企業では2カ月に1回の頻度で丸1日の時間をかけて議論する場合も多くなっています。しかし、日本企業では12時間弱の会議を年15回近く開く例が多いとされています。
 日本でも大手企業の社外取締役の報酬は米欧企業と比べてもあまり遜色ない水準に設定されております。中堅以下の企業の報酬が低めに設定され、全体の平均を押し下げている面が大きいとされています。適切な報酬は会社規模や業界によって異なりますが、全体の平均は1,000万程度です。報酬が低すぎると、執行部の監督という果たすべき役割がおろそかになる恐れが出て来ます。

(2017年4月9日 日本経済新聞)
(吉村 やすのり)

カテゴリー: what's new   パーマリンク

コメントは受け付けていません。