女性のキャリア形成にあたっては、精神的サポートも必要である。現代社会においては、子育てをしながらキャリア形成する過程で、さまざまな障害に直面することが多い。
パートナーにとって女性が体験する心の悩みに相談にのることも大切であり、精神的な支援が必要となることが多い。妻の場合も子どもの成長過程で仕事を継続する上でのさまざまな悩みで、これまで3回程仕事を辞めたいと言ったことがあった。そんな時、彼女の言うことだけを聴いていたら、ずっと以前に仕事を中断し、パート医師になっていただろう。
パートナーが危機的状況に陥った時、できるかぎり客観的な立場で助言することが望ましい。同居している場合、客観的な立場で助言することができにくい状況にあることが多く、お互いに自分の考えを押しつけることが多くなる。物理的に一緒にいる時間が少ないと相手の立場を尊重することができるようになる。また、相手のことを考える時間も増えることが多くなる。社会において働くことの意義や、それぞれの分野で果たす役割を自らが認識できるような助言が大切となる。また、女性のキャリア形成は長期ビジョンで考えておく必要があり、一時的な中断は止むを得ない。できるかぎり早期の職場復帰ができるようにパートナーの理解と協力が必須である。
(吉村 やすのり)