家族が同居の形態を取りながら女性が仕事を継続することができれば理想である。それは男性の場合も全く同様である。妻の場合は、私の職場とは全く離れた名古屋で仕事を継続して、藤田保健衛生大学で素晴らしい形成外科学教室をつくり、立派な臨床医を数多く育ててきた。これは素晴らしい社会貢献であるが、彼女が仕事を継続してこなかったら叶うことはなかった。別居してでもお互いに頑張ってこなければ、二人それぞれが社会に対する責任が果たせなかったのではないだろうか。
男性が長期単身赴任で家族を支える姿は稀ではない。それは逆であっても不思議なことではない。女性が天職を全うする場合、別居を余儀なくされることがある。仕事を継続することは家族を支えるためだけではなく、自らのキャリア形成のために必要な場合もある。そのキャリア形成に努力する姿は、夫や子ども達の心を打つこともある。またそのキャリア形成は子育てに役立ち、人間力アップに繋がるものと思われる。
お互い離れ離れに暮らしているからこそ見えてくることも多い。別居は大変であるが、苦痛ではなく、また楽しいものである。
(吉村 やすのり)