OECDによれば、高等教育にかかる費用のうち、日本は66%が私費負担で、加盟国の中で英国に続いて高くなっています。家計負担も51%に達しており、2番目に高い状況にあります。東京大学が実施した調査によれば、4年制大学への進学率は両親の年収と比例していました。年収200万円以下の進学率は28.2%でしたが、1,200万円超では62.8%に達しています。
教育は原理として人々を平等にするはずですが、現実には格差を増幅させています。米国や英国などでは、所得格差が大きい国ほど、格差が世代を継いで固定化される状況が示されています。高卒者と大卒者の生涯賃金の違いが明らかに出ています。親の経済力の差違で住む世界が分かれてしまうような教育体制は直ちに見直さなければなりません。
(2017年9月22日 朝日新聞)
(吉村 やすのり)