育児中の共働き家庭に支援の大学生を派遣するスリールが、23~39歳の出産経験のない働く女性を対象にインターネットで仕事と子育ての両立について聞いています。働く女性の93%が、子どもを持つ前から仕事と子育ての両立に不安を抱えていることがわかりました。不安を感じる原因についてたずねると、会社にいる子育て中の社員を見てと答えた人が73%と最も多くを占めています。ワーキングマザーがスーパーウーマンみたいな人ばかり、全国転勤前提の仕事なので、子育てしながらは難しいなどの理由があがっています。若いうちに妊娠出産しても、キャリアを形成できる就業モデルが身近にないことが問題です。
公共の場で泣いている子どもを見て、人に迷惑をかけずに余裕を持って子育てできるか心配しています。これらの不安を解消するには、職場が両立支援の環境整備を進めるだけではなく、社会全体で子育てへの理解を広げる必要があります。このような現状を反映してか、将来子どもを欲しいと考える女性(18~39歳)の割合は、フランス80%、米国79.5%に対し、日本は63%とかなり低くなっています。超少子化が進行する中、このような社会に充満するマタハラ体質は、払拭すべきです。
(2017年10月9日 日本経済新聞)
(吉村 やすのり)