理想の子どもを持たない理由

 結婚しているカップルに持ちたい子どもの数を聞けば、9割以上のカップルが23人と答えています。しかし、合計特殊出生率は1.44に過ぎません。理想の子どもを持たない理由として、第一に子育て教育にお金がかかりすぎることが挙げられます。保育所や幼稚園に通うには利用料を支払います。小中学校は義務教育で無償ですが、学用品や学校行事にかかるお金は自己負担です。塾やピアノといった習い事にもお金がかかります。高校や大学に進めば、さらに費用がかさみます。幼稚園から大学まで全て公立でも、1人計1,000万円以上必要というデータもあります。
 もう一人は、晩婚・晩産化により高齢妊娠になるカップルが多くなっています。そのため、高齢で産むことをひかえたり、高齢で妊娠できなくなることもあげられます。仕事を持つ女性が増えたこともあり、結婚や出産が遅くなり、働きながら子育てするのが、体力的にきついと感じる人も多くなります。精神的な負担も大きいと思われます。ワンオペ育児である母親だけが育児や家事を担うことになり、こういう状態が続くと次の子どもを産もうという意欲が低下しやすくなります。夫がもっと子育てにかかわれるよう、長時間労働など働き方を見直すことが必要になります。

(2017年10月15日 読売新聞)
(吉村 やすのり)

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