動物性集合胚による人の臓器作成

 文部科学省の専門委員会は、動物の体内で人の臓器を作る基礎研究について、薬の開発や病気の原因解明などに利用できる可能性があるとして容認することを了承しました。生命科学分野の基本方針を決める政府の生命倫理専門調査会は、2013年に動物の体内で人の臓器を作る基礎研究を容認する見解をまとめています。
 対象となる研究では、動物の受精卵が成長した段階の胚に、人の細胞から作ったiPS細胞などを注入した動物性集合胚を作ります。膵臓ができないようにしたブタの胚に人のiPS細胞を注入し、ブタの子宮に移植すると、人の膵臓を持ったブタの子どもができます。現時点では安全性などの理由から人への移植を認めないとしつつ、基礎研究の必要性を認め、指針が禁じてきた動物性集合胚の移植や出産を容認しました。文部科学省は今年度中に指針の改正案を示します。

(2017年10月25日 日本経済新聞)
(吉村 やすのり)

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