全国の小中高校と特別支援学校で、2016年度に把握したいじめが、過去最多の32万3,808件に達しました。前年度より9万8,676件で44%増えています。小学校の認知件数は23万7,921件で、全体の7割を占めています。前年度より57%も増えており、増加率は中学校の20%や高校の2%を大幅に上回っています。小学校では暴力行為も2万2,847件に達しており、前年度比34%増えています。貧困状態にある家族やひとり親家庭の増加などで養育環境が悪化し、子どものストレスが増えているのかもしれません。
喧嘩やふざけ合いに見える行為であっても、教員の判断でいじめと捉えるようになっています。そのため目に見える喧嘩などが起きやすい小学校で認知件数が大幅に増加したと思われます。高校はスマートフォンを持つ生徒が多く、SNS上のいじめで認知できていないものがあると思われます。
(2017年10月27日 日本経済新聞)
(吉村 やすのり)