マダニが媒介する感染症である重症熱性血小板減少症候群(SFTS)の患者が増加傾向にあります。国立感染症研究所によれば、9月末時点の感染者数は74人にも達しています。そのうち6人は重症化し、死亡しました。今年の感染者数は、2013年以降で最多となっています。
初期症状はだるさや発熱などですが、1週間前後で意識障害が起きて重症化することもあります。症状が風邪に似ているため、患者本人がSFTSだと気づかないことが多くなっています。これまでの感染者は、ウイルスを媒介するマダニが多く分布する西日本に限られています。感染症の報告は、マダニの活動が活発な3月から11月頃までに集中します。致死率は約20%とされ、特効薬はありません。
(2017年10月25日 日本経済新聞)
(吉村 やすのり)