日本語学校に入る留学生は急増しています。日本学生支援機構によれば、2016年5月時点で6万8,165人であり、3年間で2倍超に増えています。国・地域別では、ベトナムが最多の2万5,228人で4割近くを占めています。2015年度は中国が最多でしたが、2016年度に逆転しました。ベトナム人は勤勉であり、現地の日系企業から引き合いが強く、就職のため日本語を習得しようと来日する若者が増えています。
一般的に日本語学校は、日常生活レベルの日本語をマスターするのが目標ですが、最近は日本の有名大学への受験対策に力を入れる日本語学校が増えてきています。数学や地理歴史などをカリキュラムに組み込み、受験予備校の講師を招くところもあります。その背景には、母国の名門校は門戸が狭く、東京大学や京都大学などを狙う外国人が急増していることがあります。外国から日本の大学を目指す場合、通常はセンター試験に相当する日本留学試験を受けます。国公立大学や多くの私立大学は同試験の成績を考慮したうえで、面接や小論文などの2次試験を実施します。
(2017年10月27日 日本経済新聞)
(吉村 やすのり)