オーラルフレイルとは、口の中の機能が低下することにより、体が衰えることをいいます。滑舌が悪くなる、食べこぼしや飲み物でむせるといった口回りのトラブルは、高齢者の体が弱っていく最も早いサインです。噛めないことにより軟らかい食べ物を選ぶようになり、口回りの筋肉が衰え、さらに噛めなくなり、悪循環に陥ります。
予防は、食事の際に口の筋肉をしっかり使うことです。体の筋肉と同じで、食べる力も意識して使わないと衰えます。食べ物は奥歯できちんと噛むことが大切です。軟らかいものを食べると主に前歯しか使わず、噛みしめるための筋肉が衰えてしまいます。高齢者に症状が出てきたら、かかりつけの歯科医に相談することが必要になります。家族らができるだけ高齢者と食事を共にして、フレイルの兆しがないか確認が必要です。
(2017年11月2日 日本経済新聞)
(吉村 やすのり)