短期大学は、戦後、4年制の新制大学とほぼ同時に誕生しましたが、当初は暫定的な制度でした。旧制高校や専門学校全ての新制大学昇格は、教員・設備・財源の確保などの面でも難しかったため、高等教育の門戸を広げる必要がありました。大学の大衆化が進む中で、短大も短期間で実践的な専門教育を受けられる学校として学生数が急増しました。
しかし、1993年以降は志望者が減少しています。2013年には、約13万3千人とピークの4分の1程度に落ち込みました。少子化と女性の社会進出の広がりで、4年制大学を志望する生徒が増えたことが背景にあります。これまでは教養教育に重点を置く短大が多かったのですが、今後は資格の取得など、専門教育に強みを持つ短大が残ると思われます。いずれにしても、今後短大は存続の岐路に立っています。
(2017年11月1日 日本経済新聞)
(吉村 やすのり)