めまいを経験する人は多いと思います。めまいの種類には、3種類に分けられます。回転性めまいは、ぐるぐると目が回ります。浮動性めまいは、フワフワと浮いているような感覚になります。それにクラッとする立ちくらみのようなめまいです。回転性めまいを発症した時は、耳鼻咽喉科を受診すると良いでしょう。耳鼻咽喉科を受診するめまいの患者で最も多いのが良性発作性頭位めまい症です。内耳で重力を感じ取るための小さな耳石がずれたり剥がれたりして、三半規管に入り込んで起きます。メニエール病も多く、めまいや難聴を繰り返します。発作時のめまいは数時間続くことがあります。内耳を満たすリンパの代謝バランスが崩れ、内耳がむくむ内リンパ水腫が生じて起こります。
めまいは脳梗塞や自律神経失調症などが原因で起きることもあり、耳鼻咽喉科以外での治療が必要な場合もあります。めまいに顔のしびれ、手足のしびれ、舌がもつれたりする場合は、脳に原因がある可能性があります。特にフワフワするめまいは、脳の病気で起こることが多いので、神経内科や脳外科を受診すべきです。まずは、脳の病気からくるめまいか、耳などからくるめまいかを判別することが大切です。
立ちくらみによるめまいは、脳に流れる血液量が一時的に不足して起こります。自律神経の乱れにより、身体の血圧で調節ができなくなり、症状が出やすくなります。急に立ち上がった時や、お風呂から出た時など、一瞬目の前が真っ暗になることがあります。こうしためまいは、安静にしていれば治まります。
(2017年11月5日 読売新聞)
(吉村 やすのり)