梅毒患者の急増

 国立感染症研究所の集計によれば、性行為などで感染する梅毒の患者数が2年連続で4千人を超えています。今年はすでに昨年の患者数を上回っています。報告された患者数は4,711人で、都道府県別では東京の1,466人や大阪の651人など大都市圏のほか、岡山で138人、広島の110人が目立っています。梅毒は近年、増加傾向が続いており、特に20代の女性で増えています。
 梅毒は、梅毒トレポネーマという細菌が原因で起きる感染症です。抗菌薬で早めに治療すれば完治しますが、放置して進行すると脳や心臓に重い合併症を引き起こします。また妊娠中に感染すると、胎盤を通じて胎児に感染する先天梅毒になり、赤ちゃんが死亡することもあります。一方、近年同じ性感染症であるクラミジア感染症は減少しています。

(2017年11月8日 日本経済新聞)
(吉村 やすのり)

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