待機児童問題―Ⅸ

幼児教育の無償化
 政府は幼児教育の無償化を全国で実施します。35歳児は全て、02歳児は低所得世帯に絞って保育園や認定こども園、幼稚園などの利用料を無料にします。約8千億円と見込まれる費用は201910月の消費増税分から充て、増税後に実施する考えです。しかし、すでに無料の子どももいます。今の利用料は年収に応じて高くなるようになっていて、生活保護世帯は全員、住民税がかからない世帯(年収約250万円未満)は第2子以降、年収約360万円未満の世帯の第3子以降は無料です。
 政府は0~2歳児の対象を、住民税が非課税の世帯までとします。第2子以降はすでに無料のため、国の基準額で保育園なら月9千円、幼稚園なら月3千円の第1子の利用料が無料になります。一方、全員を対象とする3~5歳児だと、今の利用料が高い高所得者のメリットが大きくなり、格差を広げるとの声もあります。無償化で保育ニーズが高まり、認可園に入る競争が激化する可能性もあります。

(2017年11月15日 朝日新聞)
(吉村 やすのり)

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