待機児童問題―Ⅺ

保育所運営費の負担
 認可保育園や企業主導型保育所の運営費は、国と自治体が折半して補助しています。その額は年々増え、今年度は合わせて約15千億円の予算をつけています。来年度に予定する10万人分の受け皿整備が実現した場合、国費だけで新たに500億円の運営費が必要になります。32万人分なら、約1,500億円にもなります。
 企業も、これまで待機児童対策にお金を出してきています。企業主導型保育所の整備費などに限った事業主拠出金として、社会保険料の標準報酬の0.23%分にあたる約3,900億円を拠出しています。児童手当には子どもの数に応じた所得制限があります。しかし、上限を超えても特例で月5千円が支給されています。これを廃止すれば、490億円の国費が捻出できます。財界に単に負担を求めるだけではなく、こうした支出を減らすことも大切です。

(2017年11月16日 朝日新聞)
(吉村 やすのり)

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