第25回日本胎盤学会学術集会 会長講演

 長崎大学理事・病院長である長崎大学大学院増﨑英明先生による会長講演「幕末・明治の医学・医療から学ぶ」の司会を担当させていただきました。

 

 幕末から明治期にかけて、日本の医療基盤であった漢方が、蘭方を含む洋方医療に置き換わっていきます。そのきっかけになった要因は、おおよそ4つあったと考えられます。①ポンぺの来日と養生所、②江戸の種痘所設立、③蘭方医の奥医師登用、および④西洋式軍備と軍医の4つです。その結果、長い間わが国の医療を担ってきた漢方の地位は剥奪され、洋方以外では医師としての資格を得られなくなるような制度が出来上がります。医学・医療もまた時代に流され変転します。総合的・俯瞰的視点から、わが国の医学・医療の変遷を語られたいつもながらの素晴らしい講演でした。

(吉村 やすのり)

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