電車で座りたい妊婦と譲りたい乗客をつなげる無料通信アプリLINEの実用化が試みられています。席を譲っても良いと考えている人が、あらかじめLINEで「&HAND」というアカウントを友達登録してサポーターになります。電車に乗った妊婦が、数メートルの距離に無線信号を発する専用の機器を使い、「座りたい」という信号を発すると、サポーターのLINEに「妊婦さんが近くにいます」というメッセージが届きます。実際に席を譲れる場合、LINEで自分の位置を入力します。するとその場所が妊婦に通知されます。
東京メトロで実験的に実施されます。実用化に向けては、専用の発信器を妊婦が携行してボタンを押すか、車両内に発信器を設置する案が検討されています。妊婦であることを知らせるマタニティーマークは、マークを付けていると嫌がらせをされて、かえって危険との声が話題になっています。こうした仕組みで席を譲る経験をして意識が変わり、自然に助け合える社会になることが期待されます。
(2017年11月30日 朝日新聞)
(吉村 やすのり)