幼児教育・保育の無償化と待機児童問題対策の優先順位が議論されていますが、両方必要で、車の両輪として進めるべきです。無償化は需要を掘り起こすとの批判がありますが、隠れているだけでニーズはあります。人材育成の観点から幼児教育の重要性を社会全体で認識し、幼児教育がどうあるべきか、全体的な議論をしていく必要があります。そもそも日本では、子どもにかける公的な資金が少なく、少子化を加速し、将来不安を招いています。国が子どもに大胆にお金をかけるようになれば、数年で社会が見違えるほど変わるはずです。
昨日は、久しぶりに官邸を訪れ、安倍総理に面会させていただきました。第4次安倍内閣においては、人づくり改革や生産性改革が揚げる看板政策です。マスコミからは、今回の解散の大義がないとの批判はありましたが、この人づくり改革はわが国の根幹を揺るがす少子化問題の切り札です。わが国の存続自体を左右するこれ以上の大義はありません。総理には10年後を見据えた政策を強かに遂行していただきたいものです。
(2017年12月7日 朝日新聞)
(吉村 やすのり)