教育への公的支出

 国の調査では、幼稚園から高校まで全て公立に通った場合、費用の総額は平均で523万円です。全て私立に通うと1,770万円にも達します。大学へ進学すると、国立なら1年間に約67万円、私立は約132万円かかります。家庭の経済状況で教育を受ける機会が限られるのは望ましくありません。そのため、小中学校は義務教育とされ、国公立の学校なら授業料はかかりません。保育所や高校も、一定の所得より下の世帯には国や自治体が補助しています。
 日本は、海外に比べると、教育にかける国や自治体の公的支出が少ない状況にあります。経済協力開発機構(OECD)によると、小学校から大学までの教育に対する公的支出は、国内総生産(GDP)の3.2%で、データがある加盟34か国で最も低くなっています。就学前の教育費に占める公的支出の割合は46%で、これも最下位です。その分、親などの負担が大きくなっています。

(2017年12月10日 読売新聞)
(吉村 やすのり)

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