出版流通市場の変化

 出版流通の再編が加速しています。出版物の市場規模が12年連続で減少を続ける中、書店の数が減少しています。書籍の電子化やネット通販の普及で従来とは異なる消費者への直接販売が増え、経営困難に陥る書籍取次が続出しています。今後も業界再編や淘汰が続きそうです。
 出版科学研究所の調査によれば、2016年の国内の書籍・雑誌合計の市場規模は1兆4,709億円と12年連続で前年を下回っています。書店の店舗数も2017年5月時点で1万2,500店舗と、10年前に比べて25%減少しています。スマートフォンなどデジタル端末に時間を奪われていることに加え、米アマゾン・ドット・コムなどネット書店の台頭も一因です。再編の波は出版社にも及んでいます。出版業界は事業のデジタル化と、流通形態の変化の両方に対応する必要に迫られています。

(2017年12月13日 日本経済新聞)
(吉村 やすのり)

カテゴリー: what's new   パーマリンク

コメントは受け付けていません。