わが国における母体血胎児染色体検査(NIPT)の現状―Ⅵ

検査陽性者の妊娠転帰
 検査後の妊婦の意思決定を妊娠転帰(一次予後)としてまとめた結果を表に示します。ダウン症候群陽性539人のうち、偽陽性の17人および研究脱落(確定検査後の最終的転帰の確認が取れない症例を含む)と不明(未確認:検査期間で確認中)の15人を除いた507人の中で、最終的な妊娠継続について判断を行う前にIUFDとなった妊婦が43人、妊娠継続が12人、妊娠中断が452人でした。妊娠中断率【妊娠中断数/(陽性者数―偽陽性者数―研究脱落―不明)】は 89.2%でした。
 18トリソミーでは陽性者 287人のうち、偽陽性は29人、妊娠継続は14人、IUFD85人、妊娠中断151人であり、妊娠中断率は60.4%でした。13トリソミーでは陽性者85人のうち偽陽性は31人、妊娠継続は1人、IUFD12人、妊娠中断40人であり、妊娠中断率は75.5%でした。3疾患の合計では、陽性者912人のうち偽陽性は78人、妊娠継続は27人、IUFD140人、妊娠中断643人であり、妊娠中断率は79.4%でした。

NIPTコンソーシアムとして取り組んだ臨床研究に関する報告書
(吉村 やすのり)

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