グループホームとは、認知症の症状を持ち、病気や障害で生活に困難を抱えた高齢者が専門スタッフの援助を受けながら、1ユニット5~9人で共同生活する介護福祉施設です。介護保険を利用できるので、介護費用の1~2割の自己負担で済みます。施設により異なりますが、自己負担分に家賃や食費、光熱費などを合わせて月10~15万円程度が一般的です。厚生労働省の推計によれば、認知症の高齢者は2012年時点で全国に462万人でした。団塊の世代が全員75歳以上になる25年には730万人に達します。今後、ますますグループホームを利用する人が増えると思われます。
全国に約1万3,200か所、利用者は計約19万5,000人に上ります。グループホームの多くは看護師がいないため、医療機関との連携や看取りの体制が必要になります。日本認知症グループホーム協会の2015年度の調査によれば、入居者がグループホームを退去する理由は、医療ニーズの増加が34.5%と最も多く、次は長期入院が23.4%でした。看取りの体制を整えている施設は約6割にとどまっています。
(2017年12月24日 読売新聞)
(吉村 やすのり)