中国の研究グループが、カニクイザルの胎児の皮膚の体細胞の核を、成体の除核した卵子に移植し、クローン猿を作ることに成功しました。生まれた2匹は生後40~50日で元気です。これまでクローン動物は、ヒツジ、ウシやイヌなどで誕生していますが、霊長類は初めてです。79個の卵を21匹のメスに移植した結果、6匹が妊娠し、2匹が1匹ずつ出産しました。胎児ではない成体のサルでは、181個の卵子を42匹のメスに移植して2匹が生まれましたが、すぐに死んだそうです。
このクローン技術を用いてクローン猿を作製すれば、様々な病気を持ったサルを作ることが可能になります。これを用いて病気の解明や創薬研究が進むと思われます。サルは寿命が長いのでクローン技術による長期観察が可能であり、安全性の検証もすることができるようになります。
(2018年1月25日 朝日新聞)
(吉村 やすのり)