在宅みとりを考える―Ⅰ

在宅医療の必要性
 団塊の世代が全て75歳以上となる2025年に、在宅医療を受ける人が100万人を超えるとされています。厚生労働省の推計によれば、現在の1.5倍以上の規模になります。現在の入院患者のうち、軽症で本来は入院の必要がない高齢者らが、2025年時点で約30万人いるとして、その一部も在宅医療の対象に加えています。
 政府は、医療費の抑制も狙い、入院患者を在宅医療に移す流れを進めています。2025年の入院患者用のベッドは、現在より10万床以上減らして、約119万床とする計画です。その分、在宅医療の受け皿を増やすため、24時間体勢で診療したりケアしたりする医療機関や介護事業者への報酬を手厚くして後押します。また、死亡者数は2016年の約130万人が2025年には約150万人に増えると推計されています。医療機関だけでは対応できなくなるみとりを在宅医療が担うことになります。しかし、自宅で在宅医療を受ける場合、公的な在宅介護サービスを使っても患者を支える家族の負担は大きくなります。

(2018年1月26日 朝日新聞)
(吉村 やすのり)

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