日本学生支援機構によれば、国の奨学金を返せず自己破産をするケースが、借りた本人だけではなく、親族にまで広がっています。過去5年間の自己破産は延べ1万5千人に達しており、半分近くが親や親戚ら保証人でした。日本学生支援機構は2004年度に日本育英会から改組した独立行政法人で、大学などへの進学時に奨学金を貸与しています。担保や審査はなく、卒業から20年以内に分割で返済します。
日本学生支援機構などによると、奨学金に絡む自己破産は2016年度までの5年間で延べ1万5,338人です。内訳は本人が8,108人で、連帯保証人と保証人が計7,230人です。奨学金関連の自己破産は、3千人前後が続いており、2016年度は最多の3,451人と5年前より13%増えています。自己破産は借金が返せる見込みがないと裁判所に認められれば、返済を免れる手続きです。その代わりに財産を処分され、住所・氏名が官報に載ってしまいます。
(2018年2月12日 朝日新聞)
(吉村 やすのり)