女性が出産や育児によって職を離れ、30代を中心に働く人が減るМ字カーブ現象が解消してきています。働く意欲のある女性が増え、子育て支援策が充実してきたことが背景にあります。人手不足下の景気回復で、企業が女性の採用を増やしている面もあります。しかし、男女の賃金や非正規比率にはなお差があり、女性の処遇改善は課題として残ったままです。
女性は30代の子育て期に離職し、40代で子育てが一段落すると再び働きに出る傾向がみられます。しかし、近年М字はかなり台形に近づいてきています。30~34歳の労働力率は30年前に5割程度でしたが、ここ数年で急上昇し、2017年には75.2%になりました。40~44歳の77.0%とほぼ同じ水準に達しています。30代が底上げする形で、15~64歳の女性の7割が労働参加するようになってきています。政府や企業が働き方改革を進め、子育て世代も働きやすくなってきています。
(2018年2月23日 日本経済新聞)
(吉村 やすのり)