文部科学省は、大学ごとに機能を分ける枠組み案を中央教育審議会で示しています。世界的研究・教育の拠点、高度人材の養成、実務的な職業教育の3種類です。大学は、少子化で経営環境が厳しくなっていますが、私立大学も含めて大学ごとの特色を明確にし、教育・研究の質向上や、他大学との連携を促します。文部科学省は、2016年度から国立大学を3つの類型に分け、改革に取り組む大学に補助金を重点的に配分しています。700校近い公立・私立大学に対しても枠組みを設け、機能分化を促します。
世界的研究・教育の拠点となる大学は世界でも卓越した研究力を目指します。高度人材の養成を担う大学は、学士から修士課程を中心に、各分野を先導する研究や人材育成を目指します。最新技術などを学び直したい社会人の受け入れを想定します。実務的な職業教育をする大学は学部中心で、地域の課題に対応する実務能力の高い人材を育てます。
(2018年3月3日 日本経済新聞)
(吉村 やすのり)