日本医師会総合政策研究機構(日医総研)の調査によれば、2016年度までの3年間に紹介会社を通じて看護職員を採用した医療機関は、回答した844施設のうち53.3%にも達しています。看護職員が、不足している、今は足りているが不足することがよくあると回答した医療機関は66.7%にも上っています。過去3年間に看護職員の欠員が発生した医療機関は40.7%にも達しています。
2016年度の手数料総額は、1医療機関あたり548万円です。3年間で1億円以上を支払った病院もあります。決められた看護師の数を割り込めば診療報酬を減額されるため、各医療機関は人材確保に躍起になっています。背景にあるのは慢性的な看護職員不足です。日本看護協会によると、2015年の病院勤務の看護職員は99万人で、2000年から約3割増えていますが、急速な高齢化に追いつかない状況です。入院患者7人に対し看護師1人を配置する7対1の基準を満たさなければ診療報酬が減額されるため、医療機関にとっては切実です。
(2018年3月7日 日本経済新聞)
(吉村 やすのり)